妊婦歯科健診

■妊婦歯科健診 長岡市では、当会と協力し、平成22年度より新たに妊婦歯科健診をスタートさせました。幼児歯科健診、フッ素塗布同様に受診を推奨します。
対象者 長岡市内に住所を有する妊婦の方で、平成22年4月1日以降母子健康手帳の交付を受けた者とします。
健診の流れ 母子健康手帳交付の際、妊婦歯科健診受診票・説明文・指定歯科医院名簿を交付します。健診は妊娠期間中1回のみいつでも無料で受診することができます。なお、安定期の16~23週までを勧奨します。希望者は、指定歯科医院を予約した後、受診して頂くことになります。
健診の内容 (1)歯科健診(歯周疾患健診を含む)
(2)ブラッシング指導
(3)必要に応じて、歯周予防、乳歯むし歯予防等について指導します。
(4)当日は原則として健診のみで歯科治療は行いません。
健診当日持ち物 妊婦歯科健診受診票、母子健康手帳、保険証、お使いの歯ブラシ等
 

妊娠中の歯科治療について

<妊娠中の栄養と歯について>
  • 妊娠中はビタミン類が不足しがちで、特にビタミンBの不足は歯周組織に悪影饗を及ぼし、歯肉炎を悪化させます。妊娠初期は特に、つわりのため偏食しがちと思われますが、必要な栄養素を十分補給しましょう。
  • 妊娠初期(第7週)から胎児の歯の形成が始まります。生まれてくる赤ちゃんの歯のためには、出来るだけ栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

<妊娠中に起きやすいお口のトラブル>
  • う蝕(むし歯)
  • 妊娠すると
    (1)唾液が酸性に傾き、粘り気が出る
    (2)子宮増大による胃の圧迫の結果、食事・間食の回数が増える
    (3)つわりの嘔気(吐き気)で歯磨きが良くできなくなる 以上のような理由で、歯が酸にさらされる度合いが
      増えたり、歯垢(プラーク)が溜まりやすくなった結果、むし歯が出来やすくなります。
  • 生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、むし歯菌は存在しません。食事の口移しやスプーンなどを親子で共用することで母親から乳児にむし歯菌がうつることがあります。(もちろん父親や他の家族からもうつります)ので、出来るだけ出産前にむし歯を治しておきましょう。  

妊娠性歯肉炎、歯周炎

  • 妊娠中は、女性ホルモンの増加や内分泌の変調が起きたり、上記(1)(2)(3)の結果口腔内が不衛生になると、歯肉が腫れたり出血しやすくなります(妊娠性歯肉炎)。
    また、「妊娠性エプーリス」といって歯肉が赤くこぶのように大きく腫れてくることがあります。出産後に自然消失することが多いですが、状態によっては処置した方が良い場合もありますので、歯科医師にご相談下さい。
  • 近年、歯周炎(歯肉炎が進行した状態)にかかっていると、低体重児出産(2.500g未満)や早産(37週未満)のリスクが高まることが分かってきました。
    母親が進行した歯周炎にかかっている場合、低体重児を出産する率が7倍以上になるといわれています。これは、喫煙や頻回の飲酒の危険率よりずっと高い値です。

    歯肉炎、歯周炎の処置について、詳しくは歯科医師にご相談下さい。

    ※これらの症状は、口腔内清掃(歯みがき等)と規則正しくバランスの取れた食事によって予防できます。

<妊娠中の歯科治療>
1. 歯科医院へかかるとき
  • 必ず妊娠していることを歯科医師に告げてから診察を受けましょう。 その際、妊娠週数と出産予定日を伝えて下さい(母子手帳を提示しましょう)。
  • 治療が必要ならば、つわりや流産・早産の可能性を考え、できるだけ妊娠4ヶ月から7ヶ月の安定期に受けましょう。
    ただし、妊娠前期・後期でも簡単な処置なら可能な場合もありますし、歯の痛みや炎症が胎児に悪影響を与える場合は、治療を優先することもあります。
  • かかりつけの産婦人科医に相談してから治療を受けると、なお良いでしょう。
2. レントゲン撮影
  • 通常の歯科レントゲン撮影では、胎児に放射線障害を引き起こすことはありません。
  • 通常の歯科レントゲン1回分の放射線被爆量は非常に少なく、胎児に対して許容できる被爆量下限の5,000分の1以下であり、鉛入りの防護エプロンをすれば、腹部への線量はさらに少なくなるので安全に検査できます。 とはいえ、危険性がわずかでも、お腹の赤ちゃんのことを考えると心配なのはお母さんとして当然のことです。 治療上撮影が必要な揚合は、主治医(歯科医)とよく相談の上、納得されてから撮影してもらいましょう。

3. お薬について
  • 「妊婦に対して絶対安全です」と明記されている薬は歯科に限らず存在しません。 ただし、歯科でよく使われる鎮痛剤(痛み止め)、抗生剤(化膿止め)の中にも妊婦に対してほば安全とされているお薬がありますので、通常はそれらを服用して問題無いといえます。
  • 痛みや炎症を放置すると、かえって胎児に悪影響があるときや、母体のためにも必要なときは、進んで薬を服用してもらう場合がありますので、かかりつけ歯科医と相談なさって下さい。また、妊娠初期(約12週まで)の薬の服用は特に慎重にすべきですので、必要な場合は主治医(歯科医)とよく相談しましょう。

4. 麻酔について
  • 注射麻酔の揚合、通常の歯科治療で使用する麻酔薬の量では胎児に影響は無く、問題はありません。これも、心配なら詳しい説明を受けて下さい。

5. その他
  • 治療前にトイレを済ませてから診察室に入りましょう。
  • 治療中の体位がつらい時は、主治医(歯科医)に相談して楽な姿勢で治療を受けましょう。
  • 治療中に具合が悪くなったら、我慢せずにスタッフや主治医(歯科医)にすぐ知らせましょう。
  • 妊娠中の治療は応急処置にとどめ、出産後落ち着いてから本治療に再来していただくなど、その他病状によって様々なケースがあろうかと思いますが、その都度相談なさって下さい。

※本来、妊娠前に歯科治療を終わらせておくことが最善ですので、出産後も日頃から定期健診を受けられることをお勧めします。

監修 新潟県厚生連魚沼病院 産婦人科部長 平澤浩文先生
製作 社団法人 長岡歯科医師会

           長岡市 妊婦歯科健診受診表サンプル(gifファイル)