児童虐待防止ネットワーク

【A】 虐待が疑われるときは
【B】 長岡の子どもを虐待から守る連絡会
【C】 児童虐待と歯科との関わり

【A】 虐待が疑われるときは

児童虐待の通告先 (児童福祉法第25条に基づく)
  福祉事務所  〒940-8501長岡市幸町2-1-1
          長岡市役所内 TEL 0258-39-0889
  児童相談所  〒940-0865長岡市四郎丸字沖田237
          TEL 0258-35-8500

【長岡児童相談所と長岡市社会福祉事務所(家庭児童相談室)の役割】
   ○ 社会福祉事務所は、在宅支援が必要なケースを取り扱う。
   ○ 児童相談所は、緊急度の高いケースを取り扱う。
   (立ち入り調査、緊急一時保護、入所措置等)
   ○ 社会福祉事務所と児童相談所は、必要に応じ、両者協力し共同で「見守り」をする。

虐待の種類
  (1)身体的虐待
     子どもの身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
  (2)保護の怠慢・拒否(ネグレクト)
     子どもの心身の健全な成長・発達に必要な食事・住居・医療・教育を与えず、或いは
     長時間の放置をし、又は虐待を防止したり或いは中止させるための適切な処置を講じ
     ないこと。
  (3)性的虐待
     子どもにわいせつな行為をすること、又は子どもにわいせつな行為をさせること。
  (4)心理的虐待
子どもに著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

虐待の徴候
  (1)顔面・口腔の非偶発的外傷
   ・皮下出血、表皮剥離等の皮膚色の変化。
    受傷後、日が経つにつれて色が変わるので、色が異なり複数認められる場合は可能性が高い。
   ・口角の挫傷 さるぐつわにより受傷する。
   ・小帯、口蓋の裂傷
    殴打による場合やスプーン等で食事を無理やり押し込む場合に起こる。
  (2)複数の外傷痕
  (3)受傷時期の異なる外傷痕
  (4)医療機関への受診遅延
  (5)両親の異常な行動

 病的状態との鑑別が重要。
 障害児は健常児の4~10倍の割合で虐待を受ける可能性があると言われています。
 虐待にはサイクルがあり、虐待→緊張蓄積→虐待→ハネムーン期を繰り返し、このサイクルを
断ち切ることが虐待防止となるのです。

 状況からみる早期発見のポイント(日本医師会)
  (1)医師に見せたがらない。
  (2)原因の説明があいまいである。
  (3)保護者の挙動がおかしい。
  (4)子どもが保護者になつかない。


【B】 長岡の子どもを虐待から守る連絡会

 長岡市西千手2丁目5-5
 長岡市子ども・家庭相談センター内
 TEL 0258-39-0889  FAX 0258-39-7867

【子どもの虐待の社会的背景】
 近年、子どもの虐待について関心が高まり、新聞やテレビなどで取り上げられることが多くなって
きています。また、全国の児童相談所の集計件数はここ10年余でおよそ22倍増となっています。
 新潟県・長岡市においても急増しています。

その要因
 1. 子どもの虐待が社会問題化し、関心理解が高まり児童相談所や社会福祉事務所への通告が
  増えたこと。
 2.子育て不安の親が多く、子どもの虐待そのものが増加していること。
  などが挙げられます。それには次のような社会的背景が考えられています。

社会的背景
  (1)社会的構造の変化による親の孤立化。
  (2)子育て経験の乏しさ。
  (3)情報過多による不安の助長。
  (4)心理的虐待
     子どもに著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

【機関連携の必要性】
 虐待を受けた子どもは、心や身体に深い傷を残し、人格形成や次世代まで影響を及ぼすといわれています。虐待の早期発見・早期介入の重要性が強調されるのはこのためです。
 虐待する親も、助けを求めるシグナルを発しているものと思われます。
 従って、虐待を防ぐために子育て支援や虐待認識を深める運動を進める必要があります。

 いずれにしても、被害者の子どもに対しても、加害者の親に対しても長期的に適切な家族支援と子どもの自立までの関わりが必要です。単に児童相談所や社会福祉事務所だけに頼らず、地域でその子・家族をどう守るかが問われているのです。
 子どもの虐待問題は、一つの機関の努力のみでは解決できない、むしろ、一つの機関や一人の担当者が抱え込むことは危険であるとさえ言われます。
  福祉・医療・教育・警察などそれぞれの機関がその役割を確認し合い、協力していくことが必要で、日頃の機関どうしの連携が重要性を増し、そこに虐待防止連絡組織の意義があるのです。

児童虐待防止ネットワーク  『長岡の子どもを虐待から守る連絡会』

設置主旨
  (1)児童虐待の通告先の一つとして、複雑多様化する相談・通告に的確に対応する。
  (2)児童虐待の発生防止・早期発見・早期介入・再発防止等迅速かつ効果的に遂行する。
  (3)児童虐待が発生した家庭を、地域ぐるみで支援する体制の確立。

設置:平成15年6月1日

構成機関
 ア、公共機関(国・県)
    新潟地方法務局長岡支部
    新潟家庭裁判所長岡支部
    長岡児童相談所
    長岡保健所
    長岡警察署
 イ、民間機関(任意団体含む)
    長岡市社会福祉協議会
    新潟県弁護士会
    新潟県臨床心理士会
    長岡人権擁護委員協議会
    長岡市医師会
    長岡歯科医師会
    長岡市民生・児童委員協議会
 ウ、市関係機関(課)
    市    :社会福祉事務所 教育委員会 消防本部
   【関係課】:企画課 学校教育課 生涯学習課 青少年育成課 消防署
         福祉総務課 福祉相談課 健康課 福祉綜合相談室 児童福祉課

関係ネットワークとの連携
   近年の相談内容は複雑多様化してきており、「問題行動」「不登校」「DV」に関わる事例と
 「児童虐待」に関わる事例と区別できない事が予想されます。それにより、所管の組織を中心に
 支援体制を整えることが考えられました。
 
(1)子どもふれあいサポートネットワーク ・同ネットワークのコーディネーター
                     ・ウィルながおか相談員
(2)DV防止ネットワーク ・婦人相談員(福祉相談課)
(3)長岡地区児童虐待防止ネットワーク会議(主管:長岡児童相談所)


【C】 児童虐待と歯科との関わり

  被虐待児童の早期発見
  被虐待児童の口腔内調査

東京都・東京都歯科医師会が被虐児の口腔内調査
〈平成15年6月10日号 新聞クイント〉

児童虐待への歯科の取り組みに生活環境に着目した健診必要
 歯科健診時の取り組みに、乳児、児童を取り巻く生活環境をも視野に入れる必要性があることが、このほど、東京都と東京都歯科医師会(貝塚雅信会長)が公表した児童虐待と口腔内状況についての調査結果により示唆された。
 同調査は子育て支援と児童虐待への歯科からの取り組みを構築するための第一歩として行われたもので、全国で初めての試み。調査結果を受けて、今後、虐待の種類と口腔内状況の関係についても分析し、報告する予定としており、東京都歯科医師会は、7月12日(土)に、児童虐待に関するシンポジュウムを開催する模様。
 調査結果の主な概要は以下の通り。

表1 被虐児・口腔内状況の比較 (東京都歯科医師会調査による)

0~6歳児

7~12歳児
表をクリックすると拡大表示されます。

ネグレクトでう蝕歯数や未処置歯数多いこと示唆

■調査対象者
 都内5ヶ所の児童相談所と8ヶ所の乳児院に一時保護で入所、入院している18歳未満の乳幼児
 ・児童のうち、被虐児の多い12歳までの乳幼児・学童期170名。
調査方法
  調査票を用いて、平成14年7月より15年1月まで、延べ36回実施。
■調査結果
  (1)虐待の分類
  養育の放棄・怠慢に関係する乳幼児・児童が107人(養育の放棄・怠慢90名、養育困難
  17名)と最も多く、以下、身体的虐待が77名、性的虐待1名の順であった。
  (2)虐待者
  虐待を行っていたのはいずれの分類でも実母が多く、実父が続いた。
  (3)虐待児口腔内状況
   5歳以下児において、被虐児はう蝕罹患率や一人当たりう蝕本数が多く、しかも未処置本数
  が多いことなど、平成14年度版『東京の歯科保健』と照らし合わせると、全体的に口腔内状
  況は劣っていた。特に、2歳以上にその傾向が強く認められている。
   6歳から12歳の児童においては、13年度『東京都学校保健統計書』と比較した結果、5歳
  以下の低年齢児に比べ、う歯所有者率は高くなっていたが、7歳児と9歳児を除いて、被虐児
  群の方が高率であった。特に、永久歯の状況は、10歳児を除いて被虐児の方がう蝕所有者率
  が高く、7歳児、8歳児においては2倍以上であった。さらに11歳及び12歳児で一人当たりの
  永久歯う歯本数を比べると、被虐児は罹患したう蝕永久歯の治療がほとんどなされておらず、
  治療率との関係は逆転していた。また、虐待のうち生活習慣に最も関連の深い養育放棄(ネグ
  レクト)とそれ以外の虐待の被虐児童の口腔内を比べると、養育放棄・困難ではう蝕罹患率や
  う歯所有率ではほとんど差はないが、う蝕歯数や未処置歯数の多さでは明らかにネグレクトで
  の被害者が多かった(表1)。


被虐児の生活習慣の正確な把握が今後の課題

■考察
   被虐児の口腔内状況については、う蝕疾患に関して、う蝕罹患率やう蝕歯数及び治療率など
  で明らかな差が見られた。
   このことは、今後、歯科健診時の取り組みに際して、単にう蝕の早期発見にとどまるのでは
  なく、乳児、児童を取り巻く生活環境をも視野に入れる必要があることを示唆するものと考え
  られた。
   一時保護された被虐児の生活習慣を正確に把握するには至らなかったが、今後、子育て支援
  のために保護者に良い生活習慣を支援するため、現状での反省点をチェックする具体的な情報
  が得られなかったことでもあり、今後の大きな課題と考えられる。
   また、被虐の種類についてはネグレクトが最も多く、次いで身体的虐待の順であった。この
  ことは、今まで暴力の影で潜在化していた養育の放棄・困難が明らかとなってきており、今後、
  この傾向が現れることを示唆していると考えられる。